お別れの会での各宗派の焼香の作法と注意しなければならない点

お別れの会の焼香に関する作法や流れについて知る

焼香は葬式や法事などで、細かく砕いた香(抹香)をつまんで焚く行為のことを指します。焼香をすることによって、心身の邪気が払われ死者の魂が弔いやすくなると考えられています。焼香という儀式が日本にやってきたのは6世紀なかば、ちょうど仏教と同時期になります。基本的に故人や御仏のために行われますが、焼香を焚くことによって儀式に臨む準備をすることにもなっています。仏教において焼香にあたるものは、神道では玉串奉奠(たまぐしほうてん)です。これは玉串と呼ばれる榊の枝を祭壇に捧げる儀式を指します。キリスト教の献花も同じ意図で行われています。

立礼焼香・座礼焼香・回し焼香。焼香の種類と作法について

お別れの会で行われる焼香の作法は、大まかに3種類に分けることができます。その3種類とは立礼焼香・座礼焼香・回し焼香です。立礼焼香とは立ったまま焼香を行うことを指します。座ったままで焼香を行うのが座礼焼香です。回し焼香とは焼香台の方をお盆に載せ、会席者がお盆を順番に回して焼香を行います。3種類の中で立礼焼香が、最も頻繁に執り行われています。ここでは一般的な焼香のやり方である、立礼焼香の手順を紹介していきます。

立礼焼香を行う際は、自分の番が来たら焼香台の前に行くことから始めます。焼香台の上には香炉が置いてあります。抹香をつまむ前に遺族と僧侶に向かって一礼し、焼香台の前に置かれている遺影に対しても一礼してください。焼香する際には左手に数珠を掛け、右手の親指と人差指と中指を3本使って抹香をつまみましょう。つまんだ抹香を額の上に持っていき、押しいただきます。押しいただいた抹香はすぐに降ろさずにゆっくりと香炉の方に持っていってから落としましょう。香炉の上に抹香を落としたら、最後に遺影に合掌して自分の席に戻ってください。席に戻る際には遺族に一礼しましょう。焼香を行う順番は故人との関係によって決まってきます。一番最初に行うのが喪主で、次に親族その後に関係が深い人順に焼香を行っていきます。

焼香の宗派ごとの違い

同じ仏教でも各宗派によって、焼香の作法や手順が違います。主催者の宗派のやり方に合わせる必要はないですが、、各宗派ごとの作法や手順をあらかじめ知っておくと混乱せずにすみます。特にこだわりがない場合は、故人の宗派に合わせたやり方で焼香すると喜ばれるでしょう。ここでは各宗派の焼香のやり方を解説していきます。

浄土真宗本願寺派では焼香を1回だけ行います。抹香を3つの指でつまんだ後は、額の上に押しいただくことなくそのまま落としてください。真宗大谷派の場合は、焼香を2回行います。この宗派でも抹香を押しいただくことなく、そのまま香炉に落とします。真宗高田派は焼香を3回行い、抹香を押しいただくことはしません。曹洞宗では焼香を2回行いますが、1度目と2度目のやり方は違います。1度目は抹香を3本の指でつまみ、額のところまで押しいただいてから香炉に落とすのですが、2度目は押しいただくことなくそのまま香炉に落とさなければなりません。浄土宗の焼香の回数は決まっていません。ただ抹香をつまんだ後に手の指を仰向けにして、1度押しいただいてから香炉に落とします。日蓮宗も焼香の回数に厳格な決まりはありません。抹香を押しいただいてから落としてください。

真言宗の焼香の回数は3回と決まっています。3回とも抹香をつまんでから、押しいただいた後に香炉に落とします。天台宗の焼香は3回が基本ですが、1から2回でも問題はありません。臨済宗では1回だけ焼香を行います。その際に押しいただくかどうかの定めはありません。日蓮正宗では焼香を3回行います。抹香をつまみ、押しいただいてから香炉に落としてください。創価学会では焼香のことを友人葬と呼びます。友人葬での焼香の回数は3回で、抹香をつまみ押しいただいてから香炉に落としてください。

焼香の時の注意点

ここではお別れの会で焼香を行う際の、注意点を見ていきます。焼香を行う際には数珠が用いられます。数珠を用いずに焼香を行う人もいますが、焼香に数珠は不可欠です。数珠には108個の玉が揃っている正式なものと、揃っていない略式数珠とがあります。2つの数珠はどちらを使っても問題ありません。数珠は丁寧に扱わなければならないものなので、椅子や畳にそのまま置いておかないように注意が必要です。用いないときには、バッグの中などに入れておくといいでしょう。お別れの会の時に数珠を忘れてしまった場合でも、他人から借りるのはマナー違反に当たります。



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